報告書をシステムで自動化!
「じゅん君」開発の経緯を担当者が語り合う
O支店長×Sマネージャー
自社開発システムで業務効率を改善
自社開発の画像付き報告書自動作成支援システム「じゅん君」について、営業部門、システム部門それぞれのお立場から特徴を教えてください。
私は今、主に管理会社に対する法人営業、また、東日本事業部関東支店の支店長として部署全体の取りまとめをしています。営業の視点からじゅん君について説明すると、これまで、管理物件の巡回報告は現場で取ったメモや撮影した写真を一度社内に持ち帰り、画像をダウンロードしたりエクセルに打ち込んだりして作成していく必要があったんです。1人が担当する案件は1日十数件に上るため、帰社して報告書を作成する頃には記憶が曖昧になることも……。そこで、全現場作業員の方にiPadを配布し、メモや写真の保存は現地で完結できるよう、報告書作成のシステムを作りました。システムと言っていい?
報告書の自動化ですね。
実際に現場で作業するパートナーの方が利用することはもちろん、管理会社でシステムだけご利用いただく場合もあります。
僕は経営企画室配下の情報システムチームと共同で、現場担当者側のマネージャーとしてじゅん君のシステム開発に携わっています。タブレットからサーバーに直接報告書を保管でき、すべてがWebで完結している点も、じゅん君の大きな特徴です。管理者は作業者の報告データをすぐに確認することができます。現場の作業員は一度帰社する必要がなくなり時短になりますし、Web上に情報が蓄積されているため、急な問い合わせにも誰もが回答でき、全体の業務効率改善につながっています。
類似サービス、競合商品との違いや優位性についてお聞かせください。
例えば、弊社の報告書には「社内欄」があります。物件ごとの細かいルールが共有できるようにもなっているので、現地でじゅん君を立ち上げるだけで、物件の特性、オーナーへの挨拶の仕方、細かいルール等を確認することができるんです。代理の担当者でも引き継ぎ漏れがなく、常に同じ品質でサービスを提供することができているため、お客様にも喜んでいただいています。
社内にシステム担当がいる強みもあります。システム会社に発注して作る場合が多いと思いますが、自社開発のため、SEを現場に呼び、どういう仕組みならオペレーションがうまくいくのかを整理しながら開発を進めることができました。現場をよく知っている立場から開発した点も、大きな特徴だと思います。
報告書のひな形1つとっても、お客様独自の形があります。細かいニーズに合わせてカスタマイズできるのも自社開発の強みですね。
トータル開発期間10年を費やして完成。
じゅん君の開発はどのように進めてこられたのでしょうか。
巡回のご依頼件数が増えるようになると、作業員の報告をもとに内勤の担当者が報告書作成を代行するようになります。報告書の作成担当が現場作業員でなくなると、情報の正確性や鮮度が薄れ、情報共有が煩雑になります。現場、管理者の要望をまるっと解決したいというニーズがあったため、まずは、それぞれの課題やニーズをまとめ、システムでどのように回収できるのかを整理するところから着手しました。開発期間は約2年。実は、僕は元々配達の現場担当をしていた経験があり、なおかつ前職でコンシューマー向けのプログラミングを担当した実績がありました。現場とシステムの両方がわかる担当者として、両者の橋渡し役としては適任だったのかもしれません。
開発で最も難しかったのはどのような点でしたか?
当初は現場のタブレットがネットワーク環境になかったので、USBでデータを事務所の端末に入れて、それをアップロードしている状況でした。しかし、iPadを社内導入したことにより、現場端末から直接報告できるようになったんです。そこで、ネットワーク環境を整えるところからスタートしたわけですが、何が正解かわからないまま手探りで作業を進めていた点は開発のうえで最も難しい局面でした。ただ、個人的にはものづくりが好きな性分なので、思い返せば、いちばん楽しかった時期でもあったなぁと思います。
Sが現場の要望を吸い上げながらシステムを整理していってくれたので、今では「タブレットが壊れると現場に行けない」と言われるまでになったんですよ。
現場、管理者、システムという全体の橋渡し的な役割は実際やりがいもありますし、自分で考えながら目標に向かっていろいろと挑戦させてもらえる点は本当に面白いと感じます。トライしないと失敗からも学べないですし、それを体現することもマネージャーとしての1つの役割なのかなと。僕がOの背中で感じてきたように、僕もその姿を見せていかないといけないなと思っています。
何でもトライできる会社づくりを目指したい
直近で取り組まれている挑戦があれば教えてください。
現場品質の向上を図るプロジェクトがあるのですが、その中の取り組みの1つとして、Web上にマニュアルを作りたいという現場の要望を形にしました。得意先ごとのルールや決まりごとを書いて現場作業員の方がいつでも調べものができるWikipediaのようなサイトで現在も継続してマニュアルの整備を進めています。ちなみに、名前は「パパぺディア」です(笑)。
現場の担当者とSと3人で「こういうものがあったらいいよね」と立ち話をしていて、「じゃあそれ作ろう!」という話になりました。「変化発展」は弊社の経営理念の1つでもありますし、社長も「いいと思ったら、やってみろ」というスタンスの方です。失敗したっていいと僕も教わってきたし、僕自身もそう思っているんですよ。
Oは上層部への提案も一緒にやってくれます。
ダメなものはダメですけどね(笑)。
長期的な目標についてはいかがでしょうか。
今後は、パパネッツを全国に知らしめていきたいですね。誰もが、「管理会社のお困りごとは、パパネッツが解決してくれるよね」と言ってくれるところまで持っていきたいと思っています。
今はあらゆる情報を集約した「設備・物件のカルテ」としてのシステム構築を予定しており、それに向けて「じゅん君」の大幅バージョンアップを予定しています。僕としては、「管理会社のお困りごとはパパネッツ」と言ってもらえるようになることが目標です。